2012年9月22日土曜日

成長の先へ


2年ぶりにUp:

逼迫した一つの問題。
気候変動(温暖化)について。
一部で気候変動懐疑論が言われ始めて久しいですが、
そんな中のニュース。

2007年に最大を記録した北極海氷溶融面積が大幅に更新されました。
先月時点のデータで既に更新でしたが、直近では2007年と比較して更に
日本列島2.5個分の面積の氷の消失です。

北極海氷は、太陽からくるエネルギーを
宇宙空間に跳ね返す鏡のような役割をしています。
氷が溶けてしまうと、黒体の海水にエネルギーを吸収するようになり、
しかも北極の夏は白夜なので益々氷が溶ける-
これを正のフィードバックといいますが、この結果夏季に北極海氷
完全に滅失するときもそう遠くない将来に起こると云われています。
これを新たな北極航路の可能性などと、近視眼的資本主義の視点で
ポジティブに語るのはあまりに想像力がなさ過ぎます。
アマゾンの熱帯雨林や南極の氷床と同じく、地球の大きな
気候調整装置であった北極海氷の大きな溶融は
我々が既に引き返せないポイントまで来てしまっていることを
顕しているし、とても怖いことです。

奇しくも日本は先日、脱原発を表明しました。
相も変わらず詭弁とも取れる矛盾だらけの、明記もしない、
しかし一応は脱原発の表明です。
私個人としては、原発には当然反対で、
30年代と言わず早急に廃止していくべきと考えます。
それは語るまでもなく、あまりに負の遺産が大きいため。
ただ、先の気候変動とのバランスも考えなくてはならず。


とても難しい問題を孕み大きな危機ですが、
だからこそ私は新しい選択肢として
自然エネルギー拡大を最重視する政策を支持してきました。

自然エネルギーは電気代があがるとか、不安定だとか
色々いわれますが、一旦事故が起こると何十万人、
何百万人の人が生まれ育った街に住めなくなる様な
選択をすることは出来ません。
そして、紛争を招く、予測できない未来の気候を
子どもたちに遺す選択も出来ない。

自然エネルギー懐疑論がでるのもそれだけ化石燃料や原子力に
とって変わるポテンシャルを持っているからだとも思いますが
実際すでに安定した電源になっていますし、 
これから更に育っていきますよ。(例えば↓)

とにもかくにも、日本国内において大きな問題が山積みされている為
中々外まで目を向けることは難しいですが、気候に国境はなく、
今後私達も益々厳しい環境におかれることになるでしょう。
私たちの子供世代につなぐ未来は
あらゆる困難と向き合わなければならない大変な局面です。

核廃棄物の保管。核の安全保障。気候変動。
エネルギー自給率。経済成長。外交などなど。
今顕れている、これら様々な問題の狭間で考えると、
既に我々の社会は日々の生活を含めて個々人の価値観を
根本から見つめ直さなければならない段階にあるのかもしれません。
だからこそ、現代は危機を喜機に換える可能性を秘めた重大な時期。

後退は悪だ、先へ進め の精神で、引き続き
無限成長を望んでも地球は有限。
誰かがババ引く社会なら、その先には平和なんて絶対こない。

決して貧しくなることでなく、クオリティを高める
新しい資本主義は存在し得るはず。
それはどんなのだ?と聞かれると、
それはもぅお酒飲みながらじゃないと話せませんけど(笑)
一人一人が企業人や日本人であるのと同時に、
地球人としての自覚を持つだけで、何かが変わる気がします。

気候学者でも何でもない私みたいな一個人が
偉そうだと言われながらも、効果は小さくても、
環境問題に関する啓蒙活動をすることは
そういう意味で意義があると信じています。

こんな話を肴にお酒飲める人が震災以降
劇的に増えたことは事実なのだから、
個々人がもっと価値観をぶつけ合って、みんなで
一皮むけた地球文明を創造したいものですね。

-科学の光と星の光が同居する未来へ-